ここ数年、総務省の「テレワーク先駆者百選」や同じく総務省による「ふるさとテレワーク推進事業」など働き方改革と合わせてテレワークを進める動きがありましたが、現実にはテレワークが広く活用されるまでには至りませんでした。
平成30年の調査によると60%以上の企業が働き方改革に取り組むつもりはない・無回答 と回答しています。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症が爆発的に広がったことにより、いままで活用されなかったテレワークを多くの企業が導入し、今では当たり前にテレワークが行われる環境になりました。
2020年5月には大企業の83%、中小企業の51%がテレワークを実施しています。
取り組むつもりはなかったのに導入されてしまったという現在の状況の中で、アフターコロナにおいて「とりあえずのテレワーク」ではなく「企業と従業員の利益に資するテレワーク」に変えていき定着させていくために必要なポイントを3つ紹介します。
【会社に来る理由を徹底的に無くす】
どうしても会社に行かないとならない理由があるとテレワークは進みません。
紙しかない資料、現金による精算、印鑑がこれにあたります。
ペーパーレス、キャッシュレス、ワークフローの導入などIT技術を活用することにより、会社に行かなくても必要な事務処理が出来る環境を整えることが必要です。
【評価制度】
在宅勤務の従業員を事務所にいるときのように管理することは出来ません。
家にいると宅配が届いたり、雨が降ってきて洗濯を取り込んだり仕事以外のことが必ず起きます。
そもそも、仕事の成果と拘束時間。どちらが重要なのでしょうか?
離れた場所にいる以上管理は出来ません。働いているかどうかを管理するのではなく、仕事の成果で評価する仕組みが必要です。
また、従業員も8時間働くということでは評価をしてもらうことが難しくなります、自身の成果に対して責任を持つことが必要です。
【在宅勤務で働く意識】
家というのは在宅勤務者以外の家族にとってはくつろぐ場所です
「仕事中なのに家族がうるさい」という考えではなく、「家で仕事をさせてもらっている」という気持ちが大切です。
いかがでしょうか。
はじめは感染症対策かもしれませんが、テレワークはアフターコロナにおいても企業、従業員ともにメリットがある働き方です。
栃木県でもテレワークを実施した企業に対して交付される補助金があります。
ぜひ、アフターコロナにおいてもテレワークを定着させるために活用してはいかがでしょうか。
【ご参考】
【総務省|情報通信統計データベース|テレワークの動向と課題について】
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000048.html
【総務省|令和3年版 情報通信白書|テレワークの実施状況】
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd123410.html
【栃木県/令和3(2021)年度とちぎテレワーク環境整備導入支援補助金について】
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000048.html
【執筆担当】
株式会社とちぎIT研究所 代表取締役 遠山和夫
https://tochigi-it.net/