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2022.06.09 ITニュース TISAの講師派遣事業

栃木県情報サービス産業協会(TISA)は、帝京大学や宇都宮大学で行われる講義へ講師の派遣を行ってきました。これはTISAが、情報技術者を目指す学生の育成や学生のITに関する興味関心の向上など、広い意味でのIT人材の育成に貢献しているという意義があります。これらのうち、帝京大学との連携は2007年から行われています。2009年には下野新聞でも取り上げられました。以降では、TISAの講師派遣事業について帝京大学の立場からご紹介します。

「情報システムの実例」という科目では、15回のうちの10回程度の講義にTISAから講師派遣をしていただいています。この科目の目的は、専門的な情報教育を受けた学生が、実際の情報システムや情報技術の応用例を知ること、情報サービス産業にはどのような企業があるのかを知ることを目的としています。


講義のテーマは、「製造業における情報システム」、「交通における情報システム」、「物流における情報システム」といった具体的な情報システムに関すること、「AI(人工知能)技術の進展と活用事例」、「マーケティングにおけるICTの利活用」といった応用例、「Webシステムのセキュリティ」、「Web業界の現状と今後」などWebシステム開発に関することなど様々です。これらの講義は、現場を経験していない大学の教員からは伝えることが難しい具体的な業務の内容や、企業の方からのメッセージだからこそ学生の心に響く内容であり、学生の視野を広げ、情報技術者として働くイメージを形成する上で重要な内容になっています。

講師の方には、大学の教室において授業をしていただいていますが、同時にZoomを使って大学に登校できない学生へリアルタイムで配信しています。また、講義を収録させていただき、出席できなかった学生への対応や学生の復習に役立てています。授業には担当教員が付きますので、授業全体の進行や授業後に学生に課する課題とその評価などは大学の教員が行っています。

講師を派遣する企業にとっても自社のことや、自社が対象としている業界のことを学生に広く知ってもらうという意味でメリットがあると思います。講師の方は、研究者、役職付の方、営業の方、若手技術者と様々で、人前で話をするのは百戦錬磨の方も、とても緊張するといった方もいらっしゃいます。特に若手技術者の方にとっては、自社の業務内容をまとめてスライド等に表現し、学生に向けて説明することが良い経験になっているように感じます。

情報システムの実例における講義の様子は、TISAのWebサイトの活動報告に掲載していただいています。帝京大学への講師の派遣に興味がある、あるいは他社の講義を受講してみたいという会員企業様は、TISA事務局までお問い合わせください。

TISAによる人材育成に関連して、栃木県の「地域ITベンダー成長促進事業」の一環として、「学生と地域IT企業の情報交流会」を開催しています。これまでに、2020年度と2021年度の2回、オンラインで開催しました。Zoomのブレイクアウトルームにおいて企業の方と学生とが混在したグループで交流を行い、なかなか盛り上がりました。アンケート結果からも参加者には好評のようでした。2022年度も開催予定ですので、奮ってご参加下さい。

末筆になりましたが、帝京大学へ講師を派遣して下さっている企業様、コーディネートを担当して下さっているTISA人材育成委員会の皆様に感謝申し上げます。

【執筆担当】

帝京大学 理工学部 教授 渡辺博芳