お知らせ

2024.06.24 ITニュース 世界が注目! 日本の半導体工場ラッシュ

2024年、日本は世界的な半導体不足の解消に向けて重要な役割を担おうとしています。国内各地で半導体工場の新設・増設が相次ぎ、「工場ラッシュ」とも呼べる状況が生まれているのです。
これまで、日本は家電や自動車産業で世界をリードしてきましたが、その心臓部ともいえる半導体の製造においては、海外に後れをとってきたと言わざるを得ません。しかし、近年の米中対立やコロナ禍によるサプライチェーンの混乱などを背景に、各国が経済安全保障の観点から半導体の国内生産体制の強化を急ぐようになり、日本もその波に乗り遅れまいと、政府を挙げて半導体産業の再興に力を注いでいます。

その象徴とも言えるのが、台湾の半導体受託製造世界最大手であるTSMCが、ソニーグループなどとの合弁会社を通じて熊本県に建設している工場です。総工費は約1兆円で、2024年末までの稼働開始を予定しています。この工場では、スマートフォンやデータセンターなどに使用される最先端の半導体が製造される予定であり、日本の半導体産業復活の起爆剤となることが期待されています。

さらに、このTSMCの新工場を皮切りに、九州地方を中心に、国内外から様々な半導体関連企業の進出が相次いでいます。ドイツのインフィニオンテクノロジーズは、電気自動車の需要増加を見据え、パワー半導体の新工場を熊本県に建設予定。また、半導体製造装置で世界トップクラスの東京エレクトロンも、大分県に新工場を建設するなど、世界的な半導体企業がこぞって日本に投資を行っています。

日本政府も、この動きを後押ししようと、資金面だけでなく、規制緩和や人材育成など、様々な角度から支援策を打ち出しています。TSMCの工場誘致に対しては、総額4,760億円という巨額の補助金を決定したほか、国内企業による半導体工場の新設や増設に対しても、積極的に財政支援を行っています。また、経済産業省は、国内の半導体関連企業を結集し、次世代半導体の技術開発を加速させるための新会社を設立するなど、官民一体となって半導体産業の競争力強化に取り組んでいます。

この「半導体工場ラッシュ」は、日本経済にとって大きなチャンスです。工場の建設や稼働によって、新たな雇用が生まれ、地域経済が活性化することが期待されます。また、世界的な半導体不足の解消に貢献することで、世界経済の安定成長にも寄与できる可能性があります。
しかし、課題も山積しています。半導体製造には、高度な技術や知識を持った人材が不可欠ですが、日本では長年、理系離れや若者の製造業離れが進み、人材不足が深刻化しています。

新工場の稼働に伴い、優秀なエンジニアや技術者の争奪戦が激化するのは必至であり、人材育成は喫緊の課題です。政府は、大学や高等専門学校における半導体関連の教育プログラムの拡充や、企業による人材育成への支援などを強化していく方針ですが、効果を上げるには時間がかかる可能性もあります。

また、半導体産業は、技術革新のスピードが非常に速いという特徴があります。日本企業が世界市場で競争力を維持していくためには、常に最新の技術を開発し続ける必要があり、そのためには、産学官が連携した研究開発体制の強化が重要となります。日本は、かつて半導体技術で世界をリードしていましたが、近年は米国や台湾、韓国などに遅れをとっているのが現状です。巻き返しを図るためには、大胆な投資とスピード感を持った研究開発が不可欠です。

2024年は、日本が半導体製造大国として復活できるかどうかの重要な一年となります。政府と企業が一体となって課題を克服し、「半導体工場ラッシュ」を真の成功に導くことができれば、日本経済の明るい未来を切り開くだけでなく、世界のテクノロジーの発展にも大きく貢献できるはずです。

 

2024年に半導体の需要が加速する分野

今後、半導体は次の3分野で需要が伸びると考えられています。

 • 通信
 超高速・大容量通信の「第6世代移動通信方式」サービス6GやNTTグループが推進する次世代ICT基盤構想「IOWN (アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)」など、通信技術は年々進化しており処理能力が高く省電力化が求められます。

 • 生成AI
 生成AIの学習には、膨大なデータセットと複雑なアルゴリズム処理が必要です。専用AIチップや次世代GPUなどにより高性能な半導体が急務となっています、また、生成AIの処理には膨大な電力を消費するため、エネルギー効率の改善が課題となっていて消費電力を抑えつつ高性能な半導体が求められます。

 • 自動車
 自動車の進化、特に自動運転技術や電動化の波は、半導体業界に大きな変化と成長の機会をもたらしています。電動自動車(EV)やハイブリット車(HV)の普及に伴い、モーター制御やバッテリー管理に不可欠なパワー半導体の需要が急増しています。高電圧・大電流に対応できるSiC (シリコンカーバイド) やGaN (窒化ガリウム) などの次世代パワー半導体が注目されています。

 

2024年以降に建設が予定されている半導体工場

 

【会社概要】
会社名:株式会社マテハンソフト
代表者:代表者取締役 社長 福田晴一
所在地:〒321-0911 栃木県宇都宮市問屋町3172-78
URL:https://www.matehan.co.jp/