活動報告

2021.10.10 会員活動 ☆ソフトシーデーシー社がパーキンソン病用の病状評価装置を発表しました。☆

 手・指の動作のセンシング測定により、脳の働きに由来する運動障害を評価できる技術「協調運動評価技術」を当会員である株式会社ソフトシーデーシーが2015年に発表し、さらに2021年に技術改良した「運動障害に対する薬効評価技術」を発表しました。この技術を用いることで、今後パーキンソン病用の病状評価をはじめとする、さまざまな運動障害を伴う脳の病状を定量的・簡潔に評価することが期待されます。

  ソフトシーデーシー社は、宇都宮に事務所を構え40年以上ソフトウェア開発事業を行っている企業です。主事業は受託開発及び開発支援となるSES・派遣事業となりますが、日々自分たちのオリジナル商品を世にリリースすることを目標とし、10年以上にわたり大学等との共同研究を行ってきました。

 2015年、2017年に宇都宮大学との共同研究にて、手・指の動作を測定することで脳の調子を評価する「協調運動評価装置 (特許第6326701号)及び、協調運動評価方法及びプログラム(特許第6940067号)」を発表し、大学病院をはじめとした研究機関へ導入を開始しました。

 ※2018年高次協調運動評価技術にて栃木県フロンティア企業に登録

《協調運動評価技術にて評価できる例》

・自覚症状のない脳梗塞、認知症の予兆 ・子供(小学生)の脳発育 ・疲れ、睡眠不足、精神疲労による脳の不調 ・リハビリ(脳・精神)の回復

 2019年に県内内科医院のニーズから神経系疾患でもっとも多いものの一つの「パーキンソン病」に着目、共同研究を開始しました。 2021年にパーキンソン病の症状を細かく評価できる測定方法とパラメータを発見し、「協調運動評価技術」を改良したパーキンソン病の病状評価を可能とする技術「運動障害に対する薬効評価(特願2020-169674)」を発表しました。

※2021年パーキンソン病用病状評価装置にて栃木県フロンティア企業に登録

《ソフトシーデーシー社のパーキンソン病用病状評価装置について》

 パーキンソン病などの神経系の疾患の症状を客観的かつ定量的に評価することのできる装置および手法はまだ世の中に他になく、現状の薬効の評価は、投薬前後の患者の症状を医師が見て、診断基準にしたがって点数を付けていく評価手法しかありません。最近認可された認知症の薬も同様です。それに対しパーキンソン病用病状評価装置(以下、本装置)は、センシングにより手・指の動作を1秒間に100コマ以上という回数で測定し、動きの様々な値から、数学的に厳密に計算し結果の評価を求めています。このため、医師でも分からないわずかな動きの変化を数値化することが可能です。

 また、現在専門の医師が初診の患者に対し、パーキンソン病と診断するためには、最低2週間の期間を要します(最低限量のLドパ薬を2週間服用してもらい、2週間後の診察で症状の改善があった場合、パーキンソン病と診断を行なっている)。しかし、本装置(わずかな手・指の動作の変化を数値化することが可能)を使えば、その場にて1 時間程度で判定をすることが将来可能となり、患者の負担を大幅に減らすことが期待されます。

  創薬の研究時においては、現在の結果を出すまでの時間を縮めることができ、研究スピードを劇的に上げることが可能となります。さらに、腸に直接、連続投与するような新しいタイプの薬品も開発されつつあるため、このような薬品に対して、これまで不可能だった細かい時間単位での経時的な薬効の変化を見ることも期待されます。 今後は、大学病院等のパーキンソン病第一人者の方々と共同でエビデンス蓄積し、精神疾患業界に絶対にお役に立てるものとして世の中にリリースすることを目標としています。

《参考》 特許 協調運動評価装置 (特許第6326701号) 協調運動評価方法及びプログラム(特許第6940067号) 運動障害に対する薬効評価(特願2020-169674)

論文 手・指の動作のセンシング測定による、脳の働きに由来する運動障害を評価できる技術(短期運動記憶測定技術)について 「Method for Evaluating Motor Synchronization and Short-term Motor Memory Based on Forearm Synchronization Process to Sinusoidal Motion Visual Stimulus」 著者: Kyota Aoki(Utsunomiya University)、Kenji Niijima(Niijima Internal Medicine Clinic)、Tsutomu Yoshioka(Soft CDC Corp.) 誌名:IPSJ Transactions on Bioinformatics 2021 Volume 14 Pages 22-29

リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/14/0/14_22/_article/-char/en

《株式会社ソフトシーデーシー》

会社名:株式会社ソフトシーデーシー

所在地:栃木県宇都宮市西2丁目2番35号

事業内容:ソフトウェア設計、開発、開発支援

      IoT技術、機械警備、監視カメラ等システム開発

     ロボット(クローラー型無人走行車等)開発

     自社商品(脳活動量計)販売

URL:https://www.softcdc.co.jp/